Nクリニック(院長:中里 伸也)における変形性膝関節症に対する新規治療戦略の研究論文が、国際プレプリントサーバー Preprints.org に公開されました。本研究は、骨髄病変(BML)を標的とする体外衝撃波療法(ESWT)と、脂肪由来間葉系間質細胞(MSC)の関節内・骨内投与を併用する治療法(MSC-B+ESWT)の臨床成績を報告したものです。DOIは以下の通りです。
研究概要
一般向け要約
変形性膝関節症は軟骨の摩耗だけでなく、軟骨下骨や滑膜など関節全体の病変として理解されています。特にMRIで確認される骨髄病変(BML)は痛みの主要因で、進行すると軟骨下骨板の断裂(SBP tear)や関節面の陥没(collapse)を生じます。本研究は、ESWT単独、APS+ESWT、MSC-A(関節内MSC)+ESWT、さらに関節内と骨内にMSCを投与するMSC-B+ESWTを比較・検討しました。その結果、ESWTは軽症例に有効で、APSは早期効果を高めました。一方、MSC-B+ESWTは重症のBMLを伴う症例でも顕著な改善を示し、とくにSBP tearを伴うが陥没のない症例で6〜12か月にわたり持続的な改善を認めました。これらから、MSC-B+ESWTは進行期膝OAにおける長期的な疼痛軽減と骨再構築をもたらす有望な選択肢と考えられます。








