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2026.01.13

変形性膝関節症の治療についての2025年に発表された論文の紹介です。

はじめに:従来の治療で良くならない膝の痛みにお悩みの方へ

「ヒアルロン酸注射を続けているけれど、痛みがなかなか引かない」
「手術は避けたいけれど、変形が進んでいくのが怖い」
変形性膝関節症(膝OA)において、このようなお悩みを抱える患者様は少なくありません。これまで膝の痛みは「軟骨のすり減り」が主な原因と考えられ、関節の中(関節腔内)への注射が治療の中心でした。
しかし、近年の研究で、痛みの真の原因や病気の進行には、軟骨の下にある**「軟骨下骨(なんこつかこつ)」**の状態が深く関わっていることが分かってきました。
今回は、2025年に発表された最新の論文をもとに、この「軟骨下骨」をターゲットとした新しい再生医療のアプローチについてご紹介します。
研究の背景:なぜ「軟骨下骨」が重要なのか
MRI検査を行うと、痛みの強い膝OA患者様の多くに、骨の内部が白く(時には黒く)映る**「骨髄異常病変(BMLs)」**という変化が見られます。これは骨の中で炎症や微細な損傷が起きているサインであり、これが強い痛みの原因となっていることが分かっています。
また、軟骨下骨にある幹細胞が枯渇してしまうと、骨や軟骨を修復する力が弱まり、関節の破壊が進行してしまいます。

最新論文の紹介

論文タイトル: Does standalone/combined subchondral bone marrow-derived mesenchymal stem/stromal cell injection offer significantly better clinical benefit to intraarticular injection in knee osteoarthritis?
(変形性膝関節症において、軟骨下骨への骨髄由来幹細胞注射は、関節内注射と比較して優れた臨床効果をもたらすか?)
出典: World Journal of Stem Cells (2025)
この研究では、患者様自身の骨髄から採取・濃縮した細胞(BMAC:骨髄穿刺濃縮液)を、以下の2つの方法で投与し、その効果を比較しました。
1. 従来の方法: 関節の中(関節腔内)に注射
2. 新しい方法: 痛みの原因である**「軟骨下骨」に直接注射**(単独または併用)
明らかになった驚くべき結果
合計298膝を対象とした調査の結果、軟骨下骨へ直接アプローチしたグループにおいて、以下のような優れた結果が報告されました。
• 痛みが大幅に改善: 従来の関節内注射やプラセボ群と比較して、痛みや日常生活動作のスコア(KOOS, KSS)が有意に改善しました。
• 骨の病変が縮小: MRI画像による評価で、痛みの原因である骨髄病変(BMLs)の体積が平均2.1cm³減少しました。
• 手術の回避: 最長13年の追跡調査において、約80%の膝で人工関節置換術(TKA)を回避することができました。

この研究からわかること

この研究結果は、膝の治療において「関節の中(軟骨)」だけでなく、「土台となる骨(軟骨下骨)」を治療することの重要性を示しています。
自身の骨髄に含まれる幹細胞や成長因子を、ダメージを受けている骨の内部に直接届けることで、単なる痛み止めではない、組織の修復や病気の進行抑制(関節温存)が期待できると考えられます。

当院の考え

Nクリニックでは、常に世界中の最新知見を取り入れ、患者様の「自分の膝で歩き続けたい」という願いに応えるための治療を提供しています。
今回の論文にあるような「骨へのアプローチ」は、当院が注力しているバイオセラピー(再生医療)であるMSCの骨内投与や体外衝撃波治療の考え方とも非常に親和性が高いものです。
「長引く膝の痛みを根本から見直したい」「再生医療に興味がある」という方は、ぜひ一度当院までご相談ください。現在の膝の状態をしっかりと評価し、最適な治療プランをご提案いたします。
(※本記事は最新の医学論文を紹介するものであり、治療効果には個人差があります。詳細は医師にご相談ください。)

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